【兼業主婦必見】交通事故で家事に支障が生じたパート主婦に130万円の主婦休損を認めた裁判例

パート収入が少なくても、仕事復帰していても諦めないで

「事故後、無理をしてすぐにパートに復帰したから、休業損害は数日分しかもらえない…」
「パートの年収が100万円くらいだから、補償もその金額ベースになる」

もしそう思い込んで保険会社の提示を受け入れようとしているなら、ちょっと待ってください。

実際の減収がほとんどなくても、「主婦としての家事労働」が評価され、100万円を超える休業損害が認められた裁判例があります。

今回は、横浜地方裁判所(令和4年4月13日判決)の事例をご紹介します。

どんな事故・状況だったのか?

被害者(原告)の状況は以下の通りでした。

属性:
夫と子供と同居する主婦。パート勤務もしていた(兼業主婦)。

収入:
パート年収は100万円程度。

怪我:
頚椎捻挫(むちうち)と、右手首の損傷。

仕事への影響:
手を使う業務でしたが、生活のために事故から約2週間後には仕事に復帰していました。そのため、仕事自体の減収は「せいぜい数日分」しかありませんでした。

通常、保険会社は「仕事に復帰できているなら、家事もできるでしょう」として、休業損害を打ち切ろうとします。しかし、裁判所の判断は違いました。

判決のポイント:
なぜ130万円も認められたのか?

裁判所は、以下のロジックで被害者の主張を認めました。

1. 「パート年収」ではなく「女性の平均賃金」を採用

被害者(原告)の実収入(パート年収)は100万円程度でしたが、裁判所は「賃金センサス(女性の全年齢平均賃金)」である約376万円を基礎収入として計算しました。

これは「実収入が平均賃金を下回る場合、平均賃金を使って算定できる」という、兼業主婦にとって非常に有利なルールが適用されたためです。

2. 仕事復帰していても「家事への支障」を認定

被害者(原告)は早期に仕事復帰していましたが、手首の負傷により「日常動作の際にある角度で痛みが出る」状態でした。

裁判所は、「仕事に復帰していたとしても、家事労働には全体として平均3割の制限があった」と認めました。

しかも、その期間は事故から症状固定(治療終了)までの「1年以上(423日間)」の全期間に及びます。

実際の計算式(裁判所の認定額)

この判決で認められた休業損害の計算式は以下の通りです。

【計算式】
3,762,300円(基礎収入) × 30%(労働制限率) × 423日 ÷ 365日
≒ 1,308,043円

もし、これを「パート年収(100万円)」かつ「仕事を休んだ数日分」だけで計算していたら、数万円程度にしかならなかったはずです。

「主婦としての権利」を正しく主張したことで、結果に100万円以上の差が生まれた好例と言えます。

事故の怪我で家事が辛いならご相談を

この裁判例からわかる重要な教訓は2つです。

パート収入が低くても、平均賃金(高い基準)で計算できる可能性がある。
無理をして仕事に行っていても、「家事が辛い」という事実は別途評価される。

保険会社は、パートの兼業主婦に対して「仕事を休んだ分の給料しか払わない」という態度をとることがあります。

しかし、主婦業の価値はもっと高く評価されるべきものです。

交通事故の怪我のせいで「料理がしにくい」「洗濯物が干せない」などの家事のお悩みがある方は、適正な賠償金を受け取るためにも、一度弁護士にご相談ください。

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