弁護士も弁護士保険に入るの?「プロがプロを雇う」納得の裏事情

「弁護士なら、自分のトラブルくらい自分で解決すればタダじゃない?」

そう思う方は多いでしょう。

しかし実際には、多くの弁護士が弁護士保険に加入しています。自動車保険の弁護士

費用特約などが代表例です。

なぜ、法律のプロが、わざわざお金を払ってまで「自分以外の弁護士」に依頼する選択肢を持つのか。

そこには、プロならではの、あまりにも合理的な理由があります。

1.「医者の不養生」ではない

外科医が自分の手術をしないのと同じ

最大の理由は、メンタル管理と客観性です。

どれほど優秀な弁護士でも、自分が当事者になった瞬間、プロとしての視点は簡単に曇ります。


事故の被害者になれば、相手の態度に腹が立ちますし、この先の生活への不安も募ります。

感情が揺さぶられた状態では、本来取れるはずの最適な落としどころを見失うリスクが高まります。

そこで重要になるのが、代理人という存在です。

相手方や保険会社から届く、事務的で、ときに冷たく感じる連絡を自分で受け止め続けるのは、想像以上に大きなストレスになります。

代理人を立てることは、そのストレスを外注し、日常の平穏を守るための投資とも言えます。

以前、あるベテラン弁護士がこんなことを言っていました。


「自分の事件を自分でやる弁護士は、愚かなクライアントを抱えているのと同じだ」


それほど、客観性はトラブル解決において重要なのです。

2.「タイム・イズ・マネー」という冷静な計算

弁護士は、自分の時間がいくらの価値を生むのかを知っている、時間単価のプロでもあります。

例えば、自分で保険会社と電話をし、書面を作成し、やり取りを重ねるのに10時間かかるとします。


その10時間があれば、本来は顧客の案件を処理し、より大きな価値を生み出すことができます。

弁護士保険の特約を使えば、実質的な自己負担なしで、その時間を丸ごと取り戻せるケースも少なくありません。


そうであれば、「自分でやる」という選択肢こそ、最もコストが高いと判断する。これがプロの合理性です。

3.弁護士は「便利な設備」を持っている

ここからは、「弁護士が弁護士に依頼する」という話題から少し離れますが、一般の方が交渉を自分でやらず、弁護士に依頼する大きなメリットの話です。

弁護士が提供しているのは、交渉術や法律知識だけではありません。


実は、一般の方には見えない巨大なインフラへのアクセス権も含まれています。

弁護士事務所には、年間で数十万から百万円単位の費用がかかる判例検索システムや、最新の専門書籍が揃っています。これは病院で言えば、MRIやCTのようなものです。

また、膨大なデータの中から、自分のケースにとって本当に役に立つ意味のある裁判例を掘り当てるには、経験と技術が必要です。
弁護士に依頼するということは、その事務所が持つ武器庫と、それを使いこなす弁護士の職人技を丸ごと借りることを意味します。

まとめ
プロが保険に入るのは、その価値を一番よく知っているから

弁護士が弁護士保険に入るのは、自分の腕を疑っているからではありません。

プロの道具と、プロの客観性が、トラブル解決にどれほど大きな差を生むかを、誰よりも知っているからです。

もしあなたが事故に遭い、「自分でなんとかできるかも」と迷っているなら、ぜひこの事実を思い出してください。

法律のプロですら、自分のためにプロを雇う道を選んでいる。
それこそが、弁護士を頼む最大のメリットを、何よりも雄弁に物語っているのではないでしょうか。

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